ヒトリエは訃報なんかで有名になって欲しくなかった
ロックバンド・ヒトリエのギターボーカル並びにボカロPでもあるwowakaさんが、4月5日に急性心不全のため亡くなりました。
あまりにも突然すぎる訃報にはもはや驚きや悲しみの感情は湧き上がりません。
ただただ悔しいのです。
彼の音楽が世に誕生したのは今からちょうど10年前の2009年のこと、当時は現実逃避P
というP名で活動を開始し、以降『裏表ラバーズ』や『ローリンガール』『ワールズエンド・ダンスホール』など数々の名曲を世に排出していきました。
wowaka 『ローリンガール』feat. 初音ミク / wowaka - Rollin Girl (Official Video) ft. Hatsune Miku
あまり不用意に使う言葉ではないことを承知の上で使わせてもらいますが、彼は間違いなく天才でした。
まだボーカロイドというジャンルが一般的でなかったにも関わらず、彼の曲はそれまでの「音楽」の固定概念をぶち壊すほどの実力を持っていたのです。
そして2012年、ついにボーカロイドでの活動を卒業しロックバンドという新たなステージへと旅立つ。それがwowaka率いるヒトリエというバンドの軌跡です。
ご存知だったでしょうか?ヒトリエというバンドの存在を。名曲の数々を。
ヒトリエ『センスレス・ワンダー』MV / HITORIE - Senseless Wonder
正直なところ、ボカロPとしての知名度と比べればヒトリエというバンドの知名度は微々たるものだったと思います。
もちろんバンド界隈ではかなり有名なバンドとして認知されていましたし、アニメのタイアップでもよく起用されていましたので、一般の知名度もそこそこあったと思います。
ただ個人的には、一人のファンとしては、もっと有名になって欲しかったし、間違いなくその実力はあったと確信していました。
今度はロックバンドというステージで、大衆の「バンド音楽」に対する固定概念をぶち壊してくれると信じていました。
だからこそ今回の訃報が悔しくて堪らないのです。
ヒトリエのボーカルとしてではなく、ボーカロイドのボカロPとして話題になってしまったことが。
バンド史上最大のニュースが訃報になってしまったことが。
今後、ヒトリエというバンドがどのように活動していくのかは分かりませんが、バンドの要であるボーカルが消えてしまった今、これまでと同じように活動するのは実質不可能でしょう。
それでも彼らがヒトリエとして活動を続けていくなら、できる限り応援したいですし、酷かもしれませんが期待もしています。
願わくばこれからのヒトリエの音楽が日本全国に、そして天国まで響きますように。
ご冥福をお祈りします。